映画・演劇の感想の最近のブログ記事

昨日『ローマ環状線』というドキュメンタリー映画を観てきたのだが、どうも好きになれない。
ローマの主幹道路の沿線に住む様々な人々のドキュメンタリーなのだが、そもそも「環状線=ローマを取り囲む環状の道路=環・輪」が見えて来ない。いや、環状線を走る車や、道路のある風景は映されるのだが、描かれる市井の人々と環状線の関連が、視覚的にも物語的にも見えてこない(ジャック・タチなら窓ガラスの反射に環状線を映し込むだろう、などと無い物ねだりで観てしまった)。
先週ようやく観た王兵(ワン・ビン)監督の『収容病棟』は、中庭を取り囲むように四角くなった廊下、つまり回廊をとりとめなく歩く精神病患者(中にはそうでないのに収容されている人もいる)たちの姿が印象的なドキュメンタリー映画で、一人のインタビューを撮っている長い1カットの間に、何人もの患者が牢屋のような回廊を数周歩く姿が見れたりする(つまり何度もフレームインしてくる)。また、やる事が無くて回廊をひたすら徘徊する患者の後ろ姿をカメラで追い続け、収容所内の小さな環状線の沿線(つまり病室)に暮らす人々を活写している。これは最小限のロードムービーでもあり、アメリカ大陸の国道1号線沿線に住む人々を追うロバート・クレイマーの傑作ドキュメンタリー『ルート1』に似ている。回廊や大陸横断道路という構造をもフィードバックして、そこに住む人々の人生の瞬間を切り取っている。『ローマ環状線』にはその構造的な魅力が感じられなかった。

もう1点。『ローマ環状線』は長い時間、被写体と時間を過ごし、カメラを意識させない関係性を築いてから撮影に挑んだそうだ。その手法は驚くほど被写体の自然な姿を美しい風景と構図の中に映し取っていて、驚きに値する。しかし何故か、その驚くほどの自然さが、巧妙であればあるほどに不自然さを内包してしまっている気がする。理由の一つは、登場人物たちが妙にドラマチックで上質な雰囲気を身にまとってしまっているから、と思う。もっと素の、しょうもない、くだらない時間も見たいのだ。なのに、登場人物ほぼ全員が何かしらの「人生劇場」を演じてしまっている気がする。彼らはカメラを前に「見せたい自分」から逃れられていないのではないか。そこに被写体のナルシシズムを感じてしまった。
それに比べると『収容病棟』の、即物的なカメラが捉える収容患者たちの姿は時にエキセントリックなのだが、王兵監督は、絶えず距離と節度を計測し続ける事で、彼らを過度にプラスにもマイナスにも描かず、風俗的興味や物語性・ドラマ性を被写体に無闇にまとわせない配慮をしている。結果、そこには撮影者も被写体自身も予想していない驚きの瞬間が何度もあり、大いなる豊かさを映画自身、獲得する事が出来ている。
『ローマ環状線』は決して駄作などではなく、やはり素晴らしい作品であることは認めるのだが、どうも「人生の豊かさ」というロジックにはまり、映画自身の豊かさを見誤ってしまったのではと僕は思っている。いやでも「こんな映画を撮れるか?」と言われたら、そりゃ感嘆の出来だと思ってますが。
しかし映画自身の豊かさは、時に低予算のインディーズ映画や商業映画にも宿ったりするから不思議だ。常にその事だけは念頭から無くさず、そして疑いを持って挑みたい。



東京と大阪は立ち見満席もあり、
沢山の方から良い感想を頂き、
大きな自信になりました!
ほんまに感謝です!





新人監督賞も頂きました!
ワークショップの生徒たちで作りました。
「俺達もう終わっちゃったのかなぁ?」
「バカヤロー、まだ始まっちゃいねぇよ」




【ルール1】有名な映画のセリフを入れること
【ルール2】映画情報サイト「キネプレ」の表紙を飾った女優の魅力を引き出すこと
【ルール3】映画館を応援すること

関西の映画ワークショップ『ダムダム通信WS』と、
関西の映画情報サイト『キネプレ』が、
ショートムービーでコラボレーション!

今も映画館には夢やロマンや不思議がいっぱい!


■映画館へ行こう!■

企画:西尾孔志(ダムダム通信)
        森田和幸(キネプレ)

タイトルアニメ:寺田めぐみ


vol.1 『女優たるもの』


引用台詞
「俺達もう終わっちゃったのかなぁ?」
「バカヤロー、まだ始まっちゃいねぇよ」
(映画『キッズ・リターン』より)


監督:髙木駿一
主演:佐々木嘉子
脚本:山口文秀

共演:益山貴司(劇団子供鉅人)ほか

撮影:金子智明
録音:佐薙龍二
助監督:安川有果
制作:磯部鉄平

サックス演奏:前田 実

編集:髙木駿一・西尾孔志



キネプレ
http://www.cinepre.biz/

◉『イングロリアス・バスターズ』

ベールを降ろす女のアップ

・映写室での撃ち合い

・スクリーンに大笑いの女の顔

カフェや居酒屋など室内の会話の緊張感

冒頭のシーツとラストのスクリーン

・痛快さ

 

『告白』

・冒頭20分くらいのいきなりの語り

ナレーションそのものの怖さ、空気

水飛沫、弾けるシャボン玉、血、爆発のスローモーション

・時々出てくる幾何学的な人物配置

・トーンの映画

松たか子が最後に人間の顔をする

・エバーグリーンなフィルム風映像は物語効率的に良い

 

『アウトレイジ』

http://www.damdamtuushin.com/nishio/2012/01/20120105.html

 

 

『デス・プルーフ』

・尻

・だらだらした会話を繰り広げる美女たち、一時間目で突然即死

・同パターンの美女たち、ボンネット上のスタント

逆転の銃声 たった一発

・生きてたスタントレディ、鉄パイプ持って箱乗りの高揚感

サバイブ出来る女と置いていかれる女と死ぬ女

 

『ブルーバレンタイン』

・カサヴェテス風作品

・回想と現在の二重構成で、ラストに結婚式と離婚の瞬間が重なる

・希望の無いラストに不満

・良いとは思わない

 

 

『贖罪 フランス人形』

・『おろち』形式

・美術費の少ない?人形の衣装とか

・ハイキーの照明上手い

シーツを干すベランダと東京の曇った風景、橋の下のシルエット、坂道の多いアパートの町

・蒼井優は少し生身過ぎだが切替演技が良い、森山未來が冷血爬虫類で、小泉今日子が老けてて怖い。

 

『少女たちの羅針盤』長崎俊一

舞台を描く事から逃げてない

恋や家庭環境や青春期の変化が活きいきと描かれている

・最後のサスペンスはご愛嬌だが、そこまでの見せ方は引き込まれる

成海璃子のはみ出し方、忽那汐里の不思議な間合い、それぞれ魅力的

・堂々としたラストカット

 

『MAD探偵』ジョニー・トー

・カット割のトリック 奥さん登場の衝撃

・七人の容疑者の設定の面白さ

バイク二人乗りの純粋さ

神の啓示の美しさ

・鏡の部屋での銃撃戦

・もう少し、複数人格との攻防が見たかった

・裏切られるラスト

 

『夜の大捜査線』

監督ノーマン・ジュイソン

撮影ハスケル・ウェクスラー

編集ハル・アシュビー

音楽クインシー・ジョーンズ

主題歌レイ・チャールズ

 ・シドニー・ポワチエの都会的で静かな身のこなしと秘めた熱い血、ロッド・スタイガーとウォーレン・オーツの人間臭さ、

南部の風景とブラックミュージック

・白人を平手打ち、ガレスピー署長『あんた俺達と同じ価値観だな』

 

『贖罪』第二話

小池栄子、小泉今日子の真っ直ぐな表情とシンプルな仕草

・小池栄子の剣道の素晴らしさ

PTA総会を開いて下さい』の台詞でテンションが上がる

・照明がワンカット内で変化する

・殴られて倒れる救いの無さ

 

『ヒア・アフター』

洪水の中のクマの縫いぐるみの静けさ

・洪水は掴みに徹してる、あとテロも中弛みを防ぐ

・助けを求める者同士の運命の出会いを静かに描く、クラシックなアメリカ映画

手に触れる人と、触れそうで触れない人の小さなサスペンスが上手い

・見終わった後の想像と違う着地点に驚いた。ロマンス映画だった。

 

 

『贖罪』 第三話

安藤サクラのシルエットの黒さと異様さ

・少女の頭に触れる加瀬亮の手

・筋肉を鍛える加瀬亮の後ろ姿

走る安藤サクラの異様さ

病院の入口の階段で始まる、終わるハードボイルドな感じ

・フラー『裸のキッス』みたいな怖さ

 

『贖罪』 第四話

悪女モノ。とんでもなく冷たくて怖い。池脇千鶴と小泉今日子の冷めた表情対決など、黒沢さんの新境地。

・ブニュエルみたい

 

『ライフ・アクアティック』

カメラ、台詞の人物にパン

真正面のカットで切り返し

・台詞で内面吐露を大胆に

・『美しいわ』

 

ハイバイ『ある女』@名古屋七ツ寺。

ルックスも普通、ちょっと美術館とかも行く、自嘲しながら不倫もする、バーのカウンターでよく見かけそうなOLの女・タカコの地獄巡り。岩井さん粉するタカコが、色んな場面で被害者の立場を、戸惑いつつも呑み込む芝居がリアルで、笑いを誘うし哀しい。

夜の公園のシーンは、わりと自分の立場をわきまえて笑いに変えて生きているタカコの、ふいの感情の氾濫が胸に迫って、良かった。

それぞれの場所で、やれる事をやるだけしかないんだな、そういう気持ちにさせられた。

 

『贖罪』最終話

香川照之の走り、怪演、落ちるビーズ

小泉今日子の表情、ゴミ袋

二つのアクション 自動車事故と線路での自殺

・霊に導かれた二人 ホラー

・煙の中をさまよう小泉今日子

 

『ナイトフィッシュ』パクチャヌク

iPhone4で撮影。雰囲気ある

・川から上がった女の動きの機械的な感じ

・冒頭の路上での歌

 

 

『大阪外道』石原貴洋

・子どものリアクション

・生活の身体のままで子供を撮る

・子どもに狂気を演じさせる

 

『小早川家の秋』

何気ない台詞の連続だが、リズムを生んでいて心地よい

アクション繋ぎ。顔を動かしたり、手を動かしたり、それを流れるように編集。心地良さ

ミュージカル的快楽

鴈治郎や、妾の浪花千恵子の人物像など、ある大らかさの魅力

原節子と司葉子の動きのシンクロ、舞踏的美しさ

・情景カットのネオンや観光名所をさり気なく入れ込みつつの美しさ

・セットの色気

・森繁のジェスチャー

 

 

『戦火の馬』スピルバーグ

荒畑を鋤で耕す最初の盛り上がり。大勢のギャラリーのいい顔。石が割れ、傘を忘れて見守る人々。地を這うカメラワーク。全てがベタな累計的な人物ばかりなのに感動的。

地味なエピソードで出来ていて、派手な感動させようとする(馬が人の窮地を救う、など)エピソードが無くて、渋い。好みの映画。

馬を助ける為に敵同士の兵士が協力しあう

・鐘の音、無垢な少女、丘の向こうに兵士たち、フクロウの笛、額の白い模様

・今を生きる母親と復活する父親

・戦場では地主の子も小作人の子もない

 


『高海抜の恋』ジョニー・トー

・プロットが練りに練られていて、驚愕

映画内映画に伏線を収斂し、流れるドレミの歌声と、スクリーン越しに交差する視線に落涙

死んだと思っていた恋人が七年は生きていた事実、スターは振られた女優にシナリオを読ませ、ラストシーンをハッピーエンドに変える。そこに自分の姿を描いてみせる。それを観た残された女はようやく過去と向き合える。

 

 

SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』

http://www.damdamtuushin.com/nishio/2012/04/20120427sr.html

 


『ヒューゴの不思議な発明』

冒頭の人ごみを抜ける3Dカメラ

3Dを意識したプロダクションデザイン、距離感が効果的

カラクリ人形からメリエスの悲劇へ、映画史のロマンチックな側面

・ルュミエールからメリエスまで、映画黎明期のシーンを3Dで観る事が出来る。

・老人の孤独、ネジ一つでも必要、老人の復活

 

 

『僕のアントワーヌ伯父さん』

ルノワールやトリュフォーのようなモラルに対する大らかさと、アルトマンのような出鱈目の先に行き止まりを予見させる黒さの、両方が一本の映画の中に詰まっている。まさに1971年、アメリカの隣国カナダの中の、仏語圏のケベックという土地で生まれた映画。

 少年が見つめる大人の生と性と死。

ショーケースに並べられたキリスト誕生の人形と呼応するラストの窓。『キリスト人形が壊れてる』という台詞がまさかここで効くとは。

牧歌的ながら行き詰まり感が70年代

 


『兄兄兄妹』

『グレイト・グランマ・イズ・スティル・アライブ』

・前作『けものがにげる』からさらに発展した、人間の内面の大胆な視覚化による日常系ファンタジー。

・兄たちが現れる描写

・車に大量に乗り込もうとする男たち

・語り部への『お前、中学生から変わってないぞ』

 


『ゴースト・ライター』

・カーナビに残されたヒント

原稿の冒頭を辿る謎解き、メモを手渡して行く手、それを最後に受け取った妻ルースの表情の変化を捉えたアオリのカット

フレームアウトするユアン・マクレガー、猛スピードの車、舞い散る原稿用紙の簡潔なラスト

 

 

『アンダルシア 女神の報復』

・シナリオがよく錬られている

いきなり激突する車、トレーラーを挟んでの銃撃戦

黒木メイサがルイスだったどんでん返し

・オーバーラップの場面転換が悪くない

・黒木メイサの子供時代の記憶と車窓

織田裕二が黒木の感傷を許さない台詞のハードボイルドさ

 

 

『恋するクソ野郎』

フェイクドキュメントが持つ『覗きたい欲求』を掴みにし、徐々に物語を含ませてゆき、最後に王道の青春映画に上手く持っていけてる。なかなかの戦略家。

『パンツ見せて下さい』は名台詞

 

『青い塩』

80年代の川島透監督の映画みたいな透明な映像で描かれたハードボイルドロマン。

・映像は洗練され、美しい。

塩田に倒れこむソン・ガンホのスローモーションの息を呑む美しさ

・贅沢な天気待ち

ソン・ガンホという存在感ある演技派でありながら激しいアクションもこなせる俳優

刀のアクション、そこに狙撃の援護

 

『デンデラ』

韓国映画ばりに、野蛮で力強いスペクタクル作品。

・老婆たちの共同体を襲う過酷な試練の数々。仲間が死んでも立ち上がり続ける強烈な老婆たちの生き様

クマの怖さ、しつこさ

・ルイの執念と雪崩という残酷な運命

魚の骨で髪をすいて泣くルイ

浅丘ルリ子の表情のラスト

 


マームとジプシー『LEM-onRE:mum-ON』@元立誠小学校

役者じゃなくて、会場である元立誠小学校に染み付いた霊のようなもの。そしてその時の僕もきっと浮浪する霊のような透明なもの、だった

階段で鳴り響く狂った音楽の高揚感も異界の入り口の感じ。

和室。あの黄泉が突然出現する感じ

中盤の展示形式はマレビトの『ヒロシマ・ハプチョン』より飴屋さんの『わたしのすがた』が近かった。夜に見たせいもあるけど、中盤の最後、三階の閉まってたドアが一斉に開いて一番広い和室が登場し、そこで優雅に遊ぶ演者の姿を見た時、黄泉への扉が開いた感じがした。

 

 

子供鉅人『キッチンドライブ』@ポコペン

冒頭10分の恋人どうしの気まずい会話、22才で年寄りになった気分の女の子、キッチンに立てこもる

電気を消したとたん現れるマンガの世界のような人物たちの完成度の高さ、寛司くんの身体性、BABさんのキャラ顔の強度

やがて訪れる静けさ

 

 

『ハロルドとモード』

監督:ハル・アシュビー

海にカモメが飛ぶ空を背景に寄り添う二人の背中の美しさ

・車のドタバタ、車泥棒

・自殺ごっこ

バンジョーを弾く姿

80才の誕生日に自殺したと思われるモード、結果はぼやかしたまま

音楽の優しさ

・片手の軍人のおじさんの敬礼

ユダヤ人の管理番号の刺青

 

『ドライヴ』

・簡潔な物語に好感

・移民の人々

・あざとい表現が、どこに向かってるのかよく分からない。マスクは何故したのか?

・車ぶつけて殺す

・過剰なアクションの後に簡潔なアクションは決めてでやるから活きるのに、繰り返すとか...

 

『日本暗殺秘録』

若山富三郎に後ろから襲いかかる瀕死の侍、若山富三郎の自死の顔、舌

・ギロチン団の男の文学青年らしい爽やかさ、死刑での詩

・お菓子屋で泣きながら別れる千葉真一と藤純子

海で自死できず、夕陽にお題目をあげる狂った顔の千葉真一、夕陽と波

『現状打破には破壊だ』と言った瞬間に盆踊りの音楽が聞こえる

お題目を唱える千葉真一の背景のスクリーンプロセス、一瞬の藤純子

226首謀者の鶴田浩二の繊細な演技

・銃殺される若者たち

 

裏ワザ『漏れて100年』

http://www.damdamtuushin.com/nishio/2012/05/20120507100.html

 

 

 劇団サンプル『自慢の息子』

・正がハーケンクロイツに

・触れない兄妹の欲情

・髭を触られる正の表情

・第二の陽

・おしろいババアに巻き取られる正

・布という面のある舞台装置

・オルゴールに変わる人物たち

 


昨日の祝賀会『ロッカーの濡れてる床、イスはない』

・田舎の旅館の終わってる人たちの家族ドラマ

・女優の味わい

・布団に入って終わる 



アルカンパニー『家の内臓』

・元気な異物(平田満さん)と優しい周辺、その可笑しさ

・全体的に終わっていく中での、一瞬の輝き、その切なさ

・上手い


 

『コーマン帝国』

若い観客の観たい者をわかってた。

『イージーライダー』の時はロックスター

『ジョーズ』と『スターウォーズ』でメジャーがB級映画のやって来た事を奪った

放置してやらなきゃならない所へ追い込む

社会的な怒りを撮る

映画をじゃんじゃん撮らせる

 


『ロックンロールハイスクール』『デスレース2000in夜コーマン

http://www.damdamtuushin.com/nishio/2012/05/201205052000in.html

 


『裏切りのサーカス』

http://www.damdamtuushin.com/nishio/2012/05/20120520.html

 


『王朝の陰謀/判事ディーと人体発火怪奇事件』

http://www.damdamtuushin.com/nishio/2012/05/20120515-1.html

 


『カンウォンドの恋』

・ロメールのような時間や説明を飛ばした短い描写の連続で物語る

・駄目な人たちの物語

・性の情けない悲哀

・自殺した女とのちょっとした縁

 

 

『メトロポリス』無声映画ライブ

http://www.damdamtuushin.com/nishio/2012/05/20120510.html

 

 

『ル・アーブルの靴磨き』

・老人たちの連携プレーに涙出た

・ご都合主義の素晴らしさ、涙

・シンプルなのに無表情が雄弁

 


『素晴らしい一日』

小さな物語を丁寧に描く。幸福についての映画。

世界の豊かさを知ってゆく。

笑顔を見せるラストカット

ホステスの女、いとこの焼肉屋、中学生、シングルマザー

最後の方では関係の逆転

 

 

『逆転のシンデレラ』

会話の早さ、軽妙さ、引きの上手さ

ブスは空間

次の瞬間には殴ってたり予測不能

手前と奥

 

 

NINIFUNI

山中崇が死体を見つけながらも、モモクロの若さに笑顔を見せてしまうリアリティ

自殺前の息の荒さ

奥にぼんやり映る宇野くん

 

 

『アジョシ』

ベタなくらいの王道アクション映画だけど細部まで「徹底的」って感じで最後まで見させる。

ウォン・ビンの芝居がやり過ぎだけど、この世界観ではむしろ痺れる。

DVD特典にアクションシーンのメイキングが入ってて、殺陣よりむしろ撮影・照明部のこだわりが見れて興味深い。

犯罪に巻き込まれた子供、でも隣人が偶然に凄い人で...って設定は『グロリア』や『レオン』等の定石の一つだし、ウォン・ビンの設定もベタなのだが、

子供が酷い扱いをうけている闇組織の実態は胸が痛むし、何より悪役兄弟のハンパない非道ぶりと、用心棒の男の傭兵的思考は魅力的。

 

 

『へんげ』

http://www.damdamtuushin.com/nishio/2012/05/20120529.html

 


『サニー』

回想にワンカットで鮮やかに

『アニー』のような学校内のワンカット、不良具合

青春と音楽

ラスト、イラストで見せる

 

 

『ムサン日記 白い犬』

・北朝鮮での殺人を告白する教会での緊張感

・カラオケの女主人の独善、仕事を恥じる不誠実さ

・犬の死体(北朝鮮の死体と呼応)を前に、全ての折り合いをつける主人公

 

 

『生むと生まれるそれからのこと』岩井秀人

『いつまでも客観的に見てるつもり』『その線は越えてるつもりだよ』『言っとくけど、全然力になってないから』

『あんたたちなんで同じ頭してんの?』

良かった。

冒頭で主人公たちの履歴書を早口で一気に語る手法とか、両親教室の様子とか、『ある女』と、陰と陽の対になっていた。色々メンドくさい事を考えちゃうし、何かと意見は言いたいし、ちゃんと生きなくちゃとか思ってしまう、そんな若いカップルを柄本佑と関めぐみが好演してて、あの『えっ?』とか聞き返しちゃう岩井さんの台詞もちゃんとドラマでも活きてた。ついに決定的な言葉を口にしちゃうのか、と前のめりになる場面が要所要所にあり、最後の台詞は、まさか言っちゃう?!と思わせて上手く言わせないのが憎い。

舞台の人が映像の台本を書く訳だから、かなりその違いを意識したのは間違いなく、冒頭の、『ある女』でも映像で一気に見せた主人公たちの履歴語りは、舞台ではできない早いテンポの場面転換と、舞台調の教室でのダンスを同時に使って見せたり、線引きのテープによる視覚化や分娩室の場面など、かなり楽しんで書いてるのではと想像した。

愛してるを強要する夫婦の、その理由。いい台詞だったな。

岩井さんの主人公って優しくて、相手の気持ちを先回りして読めちゃうから、上手く場を取り繕うのは出来るんだけど、自分の気持ちを伝えるのは下手くそなんだよね。で、その気持ちを伝えるシーンが総じて素晴らしい。今回も同棲してからの喧嘩のシーンが良かった。『ある女』の夜の公園の場面

も好き。

両親の適当ぶりと意味不明な歌謡曲も深いのか浅いのかよくわかんなくて良かった。

あと演出の方も、岩井作品に柔らかい光や空間や少しゆっくりした時間を与えていて、とても良い組み合わせだと思った。

 

 

 悪い芝居『カナヅチ女、夜泳ぐ』

http://www.damdamtuushin.com/nishio/2012/06/20120620.html

 


『未来警察』

・黒人

・速いイメージ

子供が真っ二つになる

手足が長くなってアニメ

・意味不明なギャグの嵐

 


『蛇の道』

拳銃の音と光

沢山のモニタ

カット単位で些細なアクションが繋がってる、ガムテープ捨てるとか

女の子が顔が不鮮明で立っている怖さ

学ぶ嬉しさ

 

 

『ゴンゾウ 伝説の刑事』全10話(2008年)

http://www.damdamtuushin.com/nishio/2012/07/20120710.html

 

 

ピンク地底人『明日を落としても』

・擬音を人間がやる

・おもちゃ的な言い方

・殿井さんの咳払い

・カメラマンが車の外を動き出す

・音楽はいらない

・映像が欲しい

 

 

木ノ下歌舞伎『義経千本桜』

演劇の楽しさが詰まっていた。

最後、全ての幕が開いて邦生節炸裂。

 

 

姫オペラ『ゴドーを待ちながら』

・リリカルにゴドーを変えてて感心した。

 

 

PLAYBACK

・繰り返す、輝ける時

・役者の表情

・地面の亀裂

・すれ違う現在と過去、鏡、トンネル

 

『海猿4

オリンピック中継みたいな熱さゴリ押し台詞の嵐によるストレートすぎる感動演出と、

期待してた程ではなかったスペクタクル描写で、

別に酷いとまでは思わないが、

これが古沢脚本なら上手くハズしつつも胸を熱くしてくれるのになぁ...と思った。

 


『ハローゴースト』

滝の涙!!

最後の展開で泣かされるって前知識があったのに、どんでん返しじゃなく、まっすぐこちらの目を見返してくるようなテライのない展開と描写の上手さに鼻の中にまで涙。

写真に幽霊たちが映っていき、主人公の未来まで映し出される。

子供の幽霊というミスリードが巧み。『テコンV』とか飴の物価とか伏線はあったのに。

チャ・テヒョンの必死な表情

 

 

ウディ・アレン監督『ミッドナイト・イン・パリ』

めちゃくちゃ可愛らしいタイムスリップ・コメディ。映像トリックなど小技は使わず、そっくりさんと美術と照明だけでSFをやってのけるWアレンお得意の優雅な小品。

 

 

『Xメン ファースト・ジェネレーション』

ナチの収容所の門を壊す導入部、母の死

ケビン・ベーコンが若返っている

幻の女を抱いている

潜水艦が持ち上がる

コインが脳を通るラスト

超音波で飛ぶ

 

 

『哀しき獣』

狂犬病が流行った

依頼した男のスケールの大きい人物像、骨で殴り殺す

船から海に沈められる孤独な最後

しぶとさ、寓話性、死なない男たち

強烈なリアリズム

 

 

『ギリギリの女たち』

・観客が退屈をする事も恐れず、実験的な手法を貫く

・動かない長女、踊る長女、ドル札を燃やす長女、ボケる長女

 

 

ALWAYS 三丁目の夕日'64

http://www.damdamtuushin.com/nishio/2012/08/20120806-always-64.html

 

 

ハイバイ『ポンポン お前の自意識に小刻みに 振りたくなるんだ ポンポン』

子供から大人までダメ人間の連鎖的群像劇。各々の自意識が無防備に発露する瞬間を描くのが巧みで、哀しい爆笑を誘う。流れに逆らえない大人の姿を見て、子供同士が絆を確認する為に見せる『ダメな抗議活動』に希望を見た。

母親が突然ビンタ

ゲーム屋の男の子供を相手にする時の優越感、殺せよ、俺も怖いんだよ

ブラウン管に映る被害妄想

でもすぐお笑い番組で笑ってしまう

インタビューのどっきり

劇団橋本物語の怖さ、無言劇、宇宙のゴミ

父親のダメさ、しっかりした子供

おしっこを漏らし合う優しさ、大人のダメさを見た先の決意

 

 

『探偵はBARにいる』

普通の平均点の映画

 松田龍平のキャラがすごく良い

 


『盗聴犯1

・ミイラ取りがミイラ

・ウソを隠す為の次々の隠蔽工作

・壮絶な三人の刑事への報復

・ルイス・クーの哀しい復讐

 

『相棒 シーズン4「ついてない女」』

『溺死ジャーナル503』にAVライターで作家の雨宮まみさんがドラマ『相棒』について書いてて、それは脚本家古沢良太を絶賛する内容なのだが、名脚本の一つに挙がってたシーズン4の『ついてない女』を観た。確かにニヤニヤが止まらない名編。

ついてない女・鈴木杏樹に右京が言う最後の台詞『ついてましたね』に鳥肌

小さな事件が過去の大きな事件に繋がる古沢お得意のワクワク展開

リムジンバスを使った古畑任三郎

空港で逮捕のスローモーション

ついてるもついてないも、見方次第という古沢哲学

 

『相棒 シーズン6「ついてる女」』

『相棒 シーズン6「狙われた女」』

台湾マフィア、日本のヤクザ、警察と何度もどんでん返し!さらには巧みな伏線

私はついてる女よ

助かった、一手打てたと思っても、返される面白さ

人は変わる事が出来る、ヤクザの男に春麗

また大きな事件につながっていく古沢節

 

 

『アベンジャーズ』

・仲間割れに少しダレる

ハルクがデカイ奴の動きを止めてひっくり返すカタルシス

ヒーロー達の戦争状態、スピードとパワーのカオス

 

 

『桐島、部活やめるってよ』

役者達の佇まい、自然さ、エレファントのようなカメラ

同じ日を色々な視点で繰り返す

過度に語らない上手さ

ヒロインに裏切られる

前野朋哉くん

野球部に戻ろうか悩むラスト

 

 

『こっぴどい猫』

・今泉映画の集大成

・今泉カメラ目線からのレザボア風

 

 

『トガニ』

・冒頭の列車事故

・子供にふるわれる暴力の容赦なさ

・裁判に入るまでが早く、不必要にヤキモキさせない

・自動車のアクションや、テープを探しに潜入したり、ナイフで復讐したり、手数が多くて飽きない。

 

 

『鈴木先生』

・裁判劇のような会話のアクションドラマ

・めちゃくちゃ面白い

 

 

『釣りキチ三平』

・演出が酷い

・巨大魚にまたがる三平にリアリティを持たせられてない

・姉の変化も演技がダメ

 

 

『るろうに剣心』

http://www.damdamtuushin.com/nishio/2012/09/20120912.html

 


『凍える牙』

・暴力の重さ

・シナリオが錯綜してる

・犬とソンガンホの魅力

 

 

コンタクト・ゴンゾ『アブストラクト・ライフ』

まず写真が良かった。声出して笑えた。

音がデカくて良かった。『穴が濡れて来た』とか下ネタも良かった。

映画が撮りたい

 

 

男肉ドソレイユ『団長のビバリーヒルズ・コップ』

テンションの高いキチガイ

一回終わるのが良い

陰核さんのテンションやはい

 

 

『悪魔のいけにえ』

カメラフラッシュ中の死体オブジェ

太陽や月と、音楽の変化

様子を伺い、卑屈に笑うキチガイ達

鉄扉の重さ、ハンマーの重さ

巨漢だが速いし、しつこい

戸惑うレザーフェイス

じいさん、骨のチワワ

顔の皮のランプ、手の肘掛け

朝日の中でチェンソーを振り回す

 

 

子供鉅人『幕末スープレックス』

最後マグノリア

ラブ吉の威勢の良さ

花魁の身体的迫力

大勢で音楽で踊る快楽

 

 

『籠の中の乙女』

演技のリアリティ

カメラの切り取り方

自動車のトランクを映す終わり

ふいの暴力

フラッシュダンス完コピ

 

 

KUNIO『更地』

太田省吾の戯曲をおそらく一言一句変えず、ザッツ現代演劇的な出発地点から、まぁ見事というか呆れたというか、KUNIOらしい超ハッピーエンドに変えてしまう手腕はもはや「いよぅ!待ってましたっ!」と掛け声かけたくなるレベル(笑)

太田省吾作の戯曲『更地』は、かって住んでいた更地を訪ねた老夫婦の会話劇で、震災以後の今、しかもパートナーと10年以上暮らす僕にとって、静かに胸に迫る内容だった。それをKUNIO80年代ハリウッド映画のようにハッピーな奇跡にする。ロマンと感じるか、野暮と思うか。のるかそるか。

もう誰かが演ったような、手本をなぞるような演出は死んでも嫌!だけどアバンギャルドもなんか伝統芸って感じ?みんなを唖然とさせたい、アッと言わせたい。そんな杉原邦生くんの心意気を全編に受け、不覚にも涙ぐんでしまった。その根底にDIY精神とシーンを育てようという意志を感じた。

極めて教育的な人だよ杉原邦生という人は。特にDIYの部分は最初に観た『こいのいたみ』からずっとそうだったんだよなー、と今頃気づいて感心。来年のKEXフリンジを後続に任せるらしいが、京都にはまだまだ居て欲しい人です。

 

 

『カメレオンマン』

幸福なコメディの傑作

ジャズエイジの粋

壁を歩いたりするギャグ

出会い、カセ、再開、深い愛、失敗ピンチ、ドラマティックな再々会、幸せ

最近、白鯨を読み始めたところなのに、結末を知らないままなんて

 

 

『ロック・オブ・エイジズ』

バスの中でお婆ちゃんの手紙

お約束の嵐

アレック・ボールドウィンのゲイネタの反則

レポーターが右往左往するギャグ

ベタの極みの多幸感

 

 

『素晴らしい距離』

『適切な文字数と体温』

『晴雄を帰郷』

『光』

・距離を置いて見つめる黒服の集団に対峙し、バンを叩くベッドキーパー社長

・空撮

・夜の鹿

・ベランダから手を振る両親

・軽トラックでの会話

・手と表情

 

 

『ミロクローゼ』

http://www.damdamtuushin.com/nishio/2012/10/20121020.html

ミロクローゼのライティング

熊谷ベッソンのテンション

熊谷ベッソンの下品なダンス

熊谷ベッソンのワンカットで空間飛び

タモンの長いチャンバラ

原田美枝子の死に顔

 

 

『白夜』

http://www.damdamtuushin.com/nishio/2012/10/20121022.html

 


『強奪のトライアングル』

香港映画の3巨匠が30分ずつ尻取り風に撮ったサスペンス映画!ツイ・ハークが都市の怪異譚っぽく事件を語り始め、リンゴ・ラムが激しい情念とアクションで盛り上げ、最後のジョニー・トーが全部をドタバタに変える(酷いw!)。Jトー・ファン悶絶映画w

ワニ、最後の男の幽霊、止めるなよ

ビデオの中の幻視

銃がたくさんのギャグと、最後の銃

 

 

『アウトレイジ ビヨンド』

武の老いた芝居

小日向文世の物語

車が引き揚げられるオープニング

黒い車

高橋克典の無言、白竜の無言、対する西田敏行の饒舌

 

ブルボン一家『ルウプ』

幾千の死を見過ごす

9年間の妻との生活

もう一度ルウプして、高校生の妻に会う

僕と私の役割

 

『任侠ヘルパー』

・ポットのお湯を使ったアクション

・駒に彫られた名前

・施設の汚さ、過酷さ

・アル中看護婦のリアリティ

・美保純の最新介護施設の怖さ

・何より驚いたのが、ジャニーズのタレントが主演の娯楽映画でありながら、老人を食い物にする介護ビジネスの闇がとてもリアルに描かれていた点だ。寂れた地方都市の実態を、誇張や美化をせずに厳しく描き、任侠映画という大きな嘘(=フィクション)以外は、現実をなるだけそのまま描こうとする姿勢に、作り手の誠実さとチャレンジ精神を感じ、そこにとても感心した。草剛の主役ですら、一義的な善人としては描かれていなかった。

おそらく制約が多い映画(ジャニーズのスターが主演、テレビドラマの映画版、メジャー公開など)であるだろうに、こんな硬派な内容に挑戦し、しかもきっちりエンターテイメントにしているあたり、『プロだなぁ!』と感服した。

 

 

企画演劇集団ボクラ団義『忍ぶ阿呆に死ぬ阿呆』

・映像、ダンスなど舞台演出のスピード感

・歴史ミステリーの面白さ

・語り部を入れる事で、多重的な面白さ

 

 

『容疑者xの献身』

・堤真一の孤独を映し出すカメラ

・冒頭の実験の面白さ

・一度ストーカーと思わせるミスリードの巧みさ

・堤真一が、助けようとした理由の、ささやかな幸福

・大泣きする堤真一

 

 

『悪い冗談』

・オフビートのギャグ

・若い女の殺伐、セックス

・やりたい事やりきるボリューム

・盛り込みすぎ

 

 

◉『リトルミスサンシャイン』

・フレームの美しさと、手持ちのミックス

・全員のアップから紹介、引きへ

・問題を抱えた人々

・死と挫折と希望

・壊れた車をみんなで押す、静止バーを壊す

・ホテルでのそれぞれの孤独

 

『さすらいのジャンゴ』

冒頭の顔を見せるまでのショット

映画の助監督のカチンコへの憧れ

徘徊する男、スクーターの馬

屋上の殴りあい

スクリーンを破る

部屋で映画を繰り返す

8ミリ青年の疾走

 

 

『日本の夜と霧』

長回しがエネルギッシュ

旗の中の人物の静止画でフラッシュ

共産党員の虚しい自己弁護を絶望的に聞く聴衆

ブレッソン『白夜』を鑑賞。

「ブレッソン」という単語に警戒感を持つタイプの映画ファン(実は僕)必見!

美しい「手」の映画でした。
若い男女の重く考えがちな恋愛の痛々しさも、
未熟でたどたどしい性欲も、
前世紀的な魂の重さも、
アメリカの音楽の良い意味での軽薄さも、

全てが「手」の表現に収斂され、
それがゆったりと、時にエロティックな心地良さを生み出す。

微笑ましくも豊潤な恋愛喜劇にうっとりし、時に吹き出しました。
そして終わったら愛おしくてたまらない作品が1つ、増えました。


試写で鑑賞。
石橋監督はこの作品を2年前くらいに完成させていて、今回ようやく念願の公開!

ひょっとして...そのブランクって作品の評価がイマイチってことかしら?
...というこちらの杞憂を100%破壊してくれる痛快なアートエンタメ作品だった!

ひたすらハイテンション!
『狂わせたいの』や『オー!マイキー』の石橋義正監督、全開カムバック!

特に山田孝之扮する熊谷ベッソンってキャラクターは最低で最高!!
予告編でそのダンスの一部も観ることができる。

『ミロクローゼ』予告編
http://www.youtube.com/watch?v=BX0BGvpae8A
不定期ゲリラZINE 
SPOTTED701 VOL.20 
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【映画『PLAYBACK』とDJ三宅唱に寄せて】
三宅唱は、たまに映画も撮るが、たまにDJもする。らしい...

SPOTTED701に三宅唱監督『Playback』について寄稿しました。
840円で充実の内容なのでお買い得ですよ!
http://webshop701.shop-pro.jp/?pid=47179286
『るろうに剣心』

おんもしろかったー!!!
新しい日本のアクション映画、始まったな〜!!!日本でヒーローコミックの映画化でここまでやれるんだね。ようやく韓国映画に追い付いて来たなぁ!!


さてさて...

もうずっと時代劇の世界では、勝新太郎亡き後に、素早くて魅せる立ち回りが出来る『身体能力』と『華』のある役者が居ないと言われてて、リアルで重厚な大作時代劇や人情ドラマ時代劇が多くなったのは、格好良いチャンバラが出来る役者の不在が大きな理由の一つだ。
分かりやすく喩えれば、集団サッカーは得意だが、個人技の長けた選手が不在なのだ、日本の時代劇は。
実際、1989年の松竹版映画『座頭市』(勝新太郎 監督・主演)の凄まじいアクション・シーンをマックスに、日本のアクション時代劇はもう20年以上もそこを超えていない、と思う。

例えば、渡辺謙はテレビ時代劇『御家人斬九郎』の活躍で、新しいアクション時代劇映画の登場を予感させたが、幸か不幸か、日本がやる前にハリウッドが渡辺謙を時代劇映画に起用してしまった。(もちろん今からでも渡辺謙主演の時代劇ヒーローは観たい!謙さんは殺陣が上手いのだ!)

徒花として興味深いのが、2003年の北村龍平監督『あずみ』。この作品は酷評されたし、実際ドラマの部分は酷かったと思うが、クライマックスのチャンバラシーンは勝の『座頭市』のラス殺陣を明らかに意識している設定で、個人的に胸が熱くなったのを覚えている。ああ、ここに同じ思いの人が居たか、と。

89年の悲劇(『座頭市』は撮影現場で殺陣師が事故で死亡。そのせいで公開は延期・縮小されたと記憶している)が、そのまま日本のアクション時代劇の悲劇になってしまった気がする。
例えば韓国映画を観ていて羨ましいのは、アイドル的な若い俳優でも、かなり激しいアクションシーンをこなしているなぁという事で、日本では勝新の事故以後、そこがずっとネックだったのではないだろうか。

さて『るろうに剣心』である。主演・佐藤健は予想を遥かに越えて頑張っている。アイドル俳優っぽさは抜け切れてないが(それは原作がそうなのかもしれない。普段と戦いの時のギャップがこのキャラの魅力だ。)正直、震えるほど殺陣は格好良かった。殺陣になると長い前髪で目が見えないのが良い。神秘性が生まれる事に成功している。だからアクションに説得力も生まれる。そして、海外仕込みの優秀なアクションスタッフが周囲をがっちり固めているのだろう。この映画の全ての立ち回りはハリウッド映画と見劣りしない、と言いたい。もちろん、この映画の予算と同規模のハリウッドや韓国映画と、と言う補足はつくが、それでも凄い進歩だ。
嬉しかったのは、海外仕込みであろうと、アクションがカンフー的な動きになっていなかった事。刀を使わない場面でも、佐藤健のアクションは合気道的なすり足によるアクションで、それは見せ方の上手さも含め見事と言う他ない。
そしてスピード。これは撮影技術によるものだが、ただ早いだけじゃなく、説得力を持たせる為の描写として使われている。PV的な早い動きのアクションシーンって、ウソっぽくなるのだが、この作品は動きの一つ一つに理由があって丁寧に撮られているので、キャラ達の身体能力の高さへの説得力に繋がっている。
刀同士の戦いは、この説得力が大切で、僕は北野武版『座頭市』のラス殺陣の、浅野忠信の脳内説明シーンは、確かに説得力が出るが、説明じゃなく描写のアイデアで見せて欲しかった。
その点、勝新太郎は天才的なアイデアマンで、前出の『座頭市』では、立ち回りの中に短い1カットだけ逆回転ショットを使って座頭市のバランス感覚の鋭さを見せたり、居合抜きの斬れ味を演技のスピードだけでなく、柱に人間の鼻が張り付いてズルズル垂れ落ちる1カットや、人を斬る勢いでその横の柱まで真っ二つに斬ってしまうカット、ワザと同じカットを二回繰り返して刀さばきの速さを表すカット等を、チャンバラシーンの中にさりげなく挟み込んでくるので、何度もハッとさせられる。
『るろうに剣心』に、そういうハッタリの面白さまで加わったら、もう本当に僕にとって夢の時代劇となる。

あと、佐藤健から吉川晃司、武井咲の父から佐藤健へ、それぞれ受け継がれていくアイテムが運命へと連なっていく、って物語に弱い俺!たまらんかった。

あぁ、自分は今は低予算の駆け出しの監督で、撮影規模も技術も及ばないが、10年後には最前線に居たい、そう久々に思わせてくれる娯楽時代劇でした。

感謝。





過去の2作は未見。 
吉岡秀隆のオーバーな芝居が苦手で...。 

今作は初めて脚本のクレジットに古沢良太(『リーガル・ハイ』『外事警察』『相棒』)の名がトップに来てたので観ました。 

...いやぁ舐めてました、すみません。 
勘当されたはずの親が残した筆文字、帰途の列車での呟き、そして自らも苛烈な子離れをする吉岡秀隆に不覚にも泣きました。 

古沢脚本らしい部分が随所にあり、そこが深い味わい。 
王道を少しズラす事で今どきの観客に「こっ恥ずかしい」と思わせず、さりげなく感動させるあたり、相変わらず達者な脚本。例えば、鈴木オート夫妻のベタベタな感動シーンに息子の「感動的な場面に悪いけどさ、」と切り出す鋭いツッコミに爆笑。 

クライマックスに甘い部分を残さず容赦のない場面にしてるあたり「待ってました古沢節!」と思わず力が入りました。 
「一番弟子ですから!」とずっと頭を下げる養子と背中を向けて歩き続ける吉岡の姿に涙。 

観て良かった1本。
『ゴンゾウ 伝説の刑事』(2008年)

古沢良太脚本。

泥臭いので、古沢脚本でも軽妙な『リーガルハイ』とは反対に見えるが、同じ《無敗伝説の男》を主人公にした物語。だが今作は『かっての』が付く。
三年ぶりに現場復帰した『かっての伝説の刑事』は、捜査の為には冷酷無比な上司に反発する。しかし彼は元部下であり、かっての自分の姿だった...

元部下である刑事・佐久間(筒井道隆)は、エリートである自分を作り出したかっての伝説の刑事、そして今は腑抜けの男・黒木(内野聖陽)を無理やり現場に引き戻し、叩きのめしたいという暗い欲望を抱いていた。また、黒木は三年前のある事件で心を激しく病み、発作に恐れながら生きていた。

この二人の刑事の対決を軸に、定年を迎えつつある老刑事、自分を信用してくれていた男を裏切ってしまい、一生かけて償う覚悟の若い刑事、物語の核になる殺傷事件に巻き込まれた新人の女性刑事など、刑事たちの群像劇が暑い一夏の出来事として描かれる。

DVD特典でエヴァの話題が出てきたように、誰かと誰かが元恋人同士であったり、一方が一方を利用していた等、意外な登場人物たちのダークサイドが露呈し、話はより複雑化していく。

第一話を見た印象は「微妙」。だがそれは、第二話以降に後戻りできなくなる『日常のかけがえの無さ』に一話割いているからで、第二話以降、人々は聖と邪の間で大きく振り子のように揺れ続け、それでも他人を信じる事は出来るのか?やはり現実は酷なのか?と祈る気持ちにさせられる。

犯人のサイコ像はちょっとベタだと思うが、DVD特典の未公開映像を観ると、犯人が夜の街を一人歩き続けるカットの孤独感は、くるものがあった。

中盤以降はひたすら心を振るわせながら観た。
観終わった今も、頭の中で小谷美紗子の主題歌が再生され、場面を思い出してはため息が出る。

第27回向田邦子賞受賞。