西尾孔志

20150708 『マッドマックス 怒りのデスロード』

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【自分なりの『MADMAX』メモ】
賢くないのに気になったので恥を承知で書き出してみた。
ジョゼフ・キャンベルが著書『千の顔を持つ英雄』で
世界中の英雄神話(ヒーロー物語)からパターンを導き出しているのだが、
そのパターンで『マッドマックス 怒りのデスロード』を観てみる。

ジョゼフ・キャンベルの『千の顔を持つ英雄』はキャンベルの大学の生徒だったジョージ・ルーカスが『スターウォーズ』のシナリオに援用したことで、ハリウッドのヒーロー映画の一つの雛形となっている。

『マッドマックス』はユートピアへ逃げるだけの物語じゃない。多くの英雄神話や昔話は、今居る場所から境界線の向こう側へ「行って、帰ってくる」物語である。彼らが冒険で手に入れたものが、戻るべき世界に新しい秩序をもたらす。そのことにより彼らが世界から認証される通過儀礼の成長物語でもある。『マッドマックス』はその点で英雄神話のパターンに入る。

あと、マックスは『貴種流離譚』と呼ばれる昔話や神話のパターンにある。貴種流離譚とは、英雄の血筋の者は、辺境に流され貧しく生きるも、やがて貴種の血に目覚め、王である父を倒し、自ら新しい王として国に繁栄をもたらす、という物語である。マックスの貴種の血がまさに輸血されるのも面白い。

このメモは思い出しながら書くので誤解や不備はあると思うし、
この項目に当てはまる場面あったっけ?となってるとこもある。(教えて下さい)
ネタバレしないように具体的な事は伏せる。
観た人は「ああ、あれか」とわかると思う。
基本的に主人公はマックスで考え、
フュリオサは同行者として考えるが、時に主人公の代わりとなる。

【1出立 ここから向こう側へ】
 ①「冒険の召命」
   主人公は未だ「自己」に覚醒していない。名前がない。
   冒険へ誘う者が現れる。
   くくりつけて無理やりにでも冒険に連れ去られる。

 ②「召命の辞退」
   覚醒していない主人公は倦怠や恐怖などで冒険を辞退したい。変化への怖気。
   乗り気じゃない。勝手に逃げたい。まだ自分の使命への自覚はない。

 ③「超自然的なものの援助」
   超自然的な助けが現れ、この先の世界のルールを告げる。
   魔法の衣などの自らを守るアイテムを授かったりする。
   「スターウォーズ」でいうヨーダとフォース。
   この場合は砂嵐(神の助け?)と自分のジャケットか。         

 ④「最初の境界線の越境」 
   内と外の境界線。ここで目的へ向けての冒険を決意する。腹を決める。
   境界線を守るもの「ゲートキーパー」を打ち破り、向こう側へ踏み出す。
   境界線の向こうは今までいた社会の庇護を受けられない土地が待っている。
   わかりやすい境界線とゲートキーパーのシーンがあった。
       
 ⑤「鯨の胎内」
   境界線には「死」と「母胎」のイメージが重なる。
   「母胎」を出て、「死」の世界(非日常の世界)に足を踏み入れる。
   あの岩場は母胎のようでもあるし、
   そして「ゲートキーパー」を破ったあと、「母胎」と「死」がある。

【2イニシエーション 向こう側での体験】
 ①「試練の道」
   成長のための試練が待っている。
   敵との戦いや様々な困難を仲間と乗り越え、成長していく。
   ここが中盤のほとんど。
 
 ②「女神との遭遇」
   女神と出会い、他者の慈愛を受けるべき人物か試される。
   女神たち心の正しき人から認められることで、
   主人公は英雄の資格を持つ者として周囲からも認められる。

 ③「誘惑者としての女性」
   母殺し。つまりは異性と交わる事で、母性の庇護からの精神的自立を指す。
   この場合は、異性との交わりはないが、
   守ってくれる母性的存在たちと同じ方に行かないという意思表示がされた。
   また主人公の同行者が異性と愛し合うことにより、
   庇護してくれる世界から自立した。
  「庇護者から見られることで存在を認められる者」が「俺を見ろ!」と言える自立ぶり。

 ④「父との一体化」
   父殺し。父と対峙し、乗り越え、取って代わる。
   父は絶対悪ではなく、多少の理解はする。そして一体化(取って代わる)。
   『スターウォーズ』のダースベーダー。
   この場合、もう一人の主人公が父的存在を殺す。彼女が単なる復讐者ではなく、元々は信頼の厚い部下(息子的役割)であった点も大きい。
   
 ⑤「神格化」
   父も死に母も死に、庇護される対象から自立する。
   外界でも生きていける一人の自由な大人となる。
   旧世代の価値観から解き放たれる。
    
 ⑥「終焉の報酬」
   元の土地にもたらすもの(水とか自由とか)を手にいれる。
   この報酬を元いた土地に持ち帰る為、彼らは国に戻る。

【3日常への帰還】
 ①「帰還の拒絶」
   父的な存在を倒しても、まだ帰路には困難や追っ手がつきまとう。
 
 ②「呪的逃走」
   特別な方法で追っ手を振り払い、「向こう側」からもどる。
   『バックトゥザフューチャー』では雷が利用される。
   『マッドマックス』ではある作戦が取られる。

 ③「外界から救出」
   「死」(非日常)からの「再生」のイメージ。
   外界から戻る際に死にそうになるが、間一髪で助けてもらう。
   ハリウッド映画では、観客に主人公が死んだかと思わせるパターンがよくある。
   再生する事で、新しい人間に生まれ変わる。ここで名乗るのがいい。

 ④「帰路境界の越境」
   また境界線を越えて、日常へ戻ってくる。同じ場所でした。

 ⑤「二つの世界の導師」
   手に入れた報酬を世界にもたらし、導く者として悟る。
   個人的な執着を放棄する。

 ⑥生きる自由
   時に一人の無名の存在となってでも、日常を自由に生きる。
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