2012年7月アーカイブ

logo.png
▶『海猿 BRAVE HEARTS』 @東宝系 上映中
1,800円/水曜女性1,000円/東宝の日14日1,000円
▶『盗聴犯』〜夏の香港傑作映画まつり〜 @シネマート心斎橋 8/4〜17
1,800円/月曜男性・水曜女性1,000円
▶『白昼の女狩り』〜生きつづけるロマンポルノ〜 @テアトル梅田 8/6・10
1,500円/水曜1,000円
▶ハイバイ『ポンポン お前の自意識に小刻みに 振りたくなるんだ ポンポン』 @伊丹AI HALL 8/7
前売3,000円/当日3,300円/学生2,500円
▶少年王者館『累-かさね-』 @in→dependent theatre 2nd 8/9〜12
当日4,000円/学生3,500円(前売各500円引)
▶『Virginia ヴァージニア』 @シネ・リーブル梅田 8/11〜17
1,800円/水曜1,000円

合計 10,500円

▼ 一万円を使う理由 ▼

●5年前のテレ朝ドラマ『ゴンゾウ 伝説の刑事』にハマってDVD一気観し、周囲にミロミロと唱え、布教している夏。濃いオッサン・内野聖陽も好きになってしまった。フジ『リーガル・ハイ』の売れっ子脚本家・古沢良太が向田邦子賞を受賞した人間ドラマで、ドラマの設定と同じ、暑い夏に観たから感動もひとしお。騙されたと思ってみろみろ。
●その向田邦子賞をつい先日に受賞したのがハイバイ座長の岩井秀人。コンプレックスに苛まれる現代人を優しく残酷に見つめる岩井秀人の視点は、主演の荒川良々にどんな風に注がれるのか。前々作『投げられやすい石』では終演後に呆然として席を立てなかったから、体調万全で挑む。
●初めて見る少年王者館。名前からしてアングラ感バリバリ。スケールの大きい脳内世界にどっぷり浸かりたい。これも体調万全で挑まねばなるまい。
●まさかの『海猿』(笑)!! 実は『海猿』シリーズを1本も観た事がない!! 個人的に興味ない!! しかし知人数名が「新作けっこう面白いでぇ」「せやせや」と言うのを聞くと興味が湧く。どうしよう。そう言えば、一生観ないと思っていた外交官黒田康作シリーズの『アンダルシア』はなかなか面白かったしなぁ(酷いと噂の『アマルフィ』は観ていない)。でもなぁ...『海猿』...。
●誰に勧められなくても、ラウ・チンワンとルイス・クーという2大「ジョニー・トー監督常連俳優」が出演してる時点で、この映画が水準以上に面白い事は香港映画ファンなら予想できる。そして予想を裏切り、思いっきりハズレでも笑って許せるのが香港映画ファンだ(笑)わいわい観に行こう。
●ロマンポルノ特集、忙しくて観に行けなくても「幻の傑作」と言われる『白昼の女狩り』だけは日本映画好きとして外す訳にはいかない!監督・曽根中生は日活ロマンポルノを担う監督の中では冷徹で現代的。きっと今の観客にもクるものあるはず(でもHな気分にはならないと思う)。
●『地獄の黙示録』『ゴッドファーザー』の巨匠コッポラの新作がこんなこじんまりと公開されて良いのか?とは思うが、コッポラ自身が最近はミニマルで懐古趣味的な小作品にこだわってるので、ゆったりミニシアターで観たい。今この人がやろうとしている事は日本のインディーズ映画と同じなので、日本のインディーズを観る若い観客も今のコッポラを観に行こう。
●最後に、全ての推薦イベント鑑賞後に、安くて旨い料理と生ビールを飲む事をお勧めする。 

ハイバイ http://hi-bye.net/2012/06/08/2219
少年王者館 http://www.oujakan.jp/
海猿 http://www.umizaru.jp/index.html
白昼の女狩り http://www.ttcg.jp/theatre_umeda/topics/detail/14865
ヴァージニア http://virginia-movie.jp/index.html
夏の香港傑作映画まつり http://www.cinemart.co.jp/theater/shinsaibashi/lineup/20120326_9498.html


連載はカルチャーサイト「QNICC」にて 他のライターのリストも面白いので是非。
http://qnicc.jp/column/2012/07/01-000000.php?page=8
logo.png
▶『オロ』 @シネヌーヴォ 上映中〜8/10/@みなみ会館 7/25〜8/10
1,700円(劇場により割引制度あり)
▶『7月のオニ』 @蒼月書房 7/20
1,000円
▶『ヴァージン』 @十三第七藝術劇場・みなみ会館 7/21〜27
1,800円(劇場により割引制度あり)
▶『依頼人』 @シネマート心斎橋 7/21〜
一般1,800円/月曜男性・水曜女性・毎月25日1,000円
▶『へんげ』 @京都みなみ会館 7/23〜
1,500円/火曜ペア・水曜女性1,000円
▶『京都造形芸術大学 西尾ゼミ上映会 ここがロドスだ、ここで跳べ!』 @元・立誠小学校 7/23・24・25
一般700円/学生500円
▶『生きつづけるロマンポルノ』 @テアトル梅田 7/28
一般1,800円/水曜1,000円
▶『アニメ師 杉井ギサブロー』 @みなみ会館 7/28〜
1,800円/火曜ペア・水曜女性1,000円
▶『ギリギリの女たち』 @シネ・リーブル梅田 7/28〜
1,800円/女性3名割引1,000円/水曜1,000円

合計(各種割引を最大利用して)8,700円

▼ 一万円を使う理由 ▼

●7月後半は鳥取県の海に行く。そこで学生と短編映画を作る。海なんて何年ぶりだろう。「都会に疲れて今は実家の民宿を手伝っている20代後半の女性と恋に落ちたらどうしよう」と今から頭を悩ませている。
●日本では「ポルノ」に「ロマン」がついている。「なんかHな映画でしょ?」とか半笑いの人はカラオケにでも行って青山テ○マとか歌っていればいい。「情けない事にも、かっこ悪い事にも、ロマンはあるんだよ」という美学を僕は神代辰巳から学んだ。
●夏は混じり気のない歌が聞きたい。「スピリチュアル」とか「サブカル」とか「同世代の」とか湿った枕詞の必要がない歌が。オニちゃんの歌には大陸と太陽の匂いがする。暑い夏が似合う。
●最近どんハマってたTVドラマ『リーガル・ハイ』(むちゃくちゃ面白かったよね!)の堺雅人と同じ設定の「無敗の弁護士」を、ハ・ジョンウ(『チェイサー』『哀しき獣』)が演じると聞けば韓国映画『依頼人』は絶対観たい。こっちは硬派だけど。
●「手塚治虫が絶大の信頼を置いていたアニメ師・杉井ギサブローのドキュメンタリー」と聞いても、それほどアニメ好きでもないのでスルーするところだった僕だが、監督がAV監督・代々木忠の弟子で『YOYOCHU』の石岡正人氏だと聞くと、ヤバい匂いに俄然ハラが減る。
●『オロ』をスルーしてた。監督が60〜70年代アングラ映画を代表する怪作『叛軍No.4』『眠れ蜜』『ねじ式映画』のフェイクドキュメンタリーの鬼才・岩佐寿弥監督だと知るまでは!!!この映画はフェイクじゃないだろうけど、やっぱり何か仕掛けがあるのか気になる。
●小林政広監督の映画は愛想がない。しかし驚きがある。『ギリギリの女たち』は全編わずか28カットしかない(普通は数百・数千カット)。愛想無さすぎて驚き!!
●『へんげ』には泣かされた。世界滅亡のスイッチを押す人はきっとあんな風に泣きながら押すのだろう。なんて孤独で絶望的でロマンチック!!!
●『ヴァージン』は気鋭の3監督による「処女喪失」をテーマにしたオムニバス。「童貞ブームの2匹目のドジョウ的企画?」かと思ったら、監督の人選で鋭角に攻めて来た。それにしても『たまの映画』の監督やTVドラマ『エアーズロック』の脚本も書いてる今泉力哉の多作ぶりには驚かされる。
●最後に自分が関わる上映会の宣伝を。大学で映画を教えている。その教え子たちの上映会が行われる。ゲストに大畑創監督(「へんげ」)と今泉力哉監督(「ヴァージン」)を迎え、「学生の手作り上映会」という素朴なイメージを抜け、けっこう濃厚で凶暴な内容になっている。僕も毎晩飲んでるので遊びに来られたし。 

オロ http://www.olo-tibet.com/
7月のオニ http://aotsuki.blog.so-net.ne.jp/2012-03-07-1
ヴァージン http://ameblo.jp/2012virgin/
依頼人 http://client-japan.com/
へんげ http://hen-ge.com/
京都造形芸術大学 西尾ゼミ上映会 ここがロドスだ、ここで跳べ!http://www.damdamtuushin.com/nishio/2012/07/20120706.html
生きつづけるロマンポルノ http://www.nikkatsu.com/100th/rp100
アニメ師 杉井ギサブロー http://www.animeshi-movie.com/
ギリギリの女たち http://girigiri-women.com/


連載はカルチャーサイト「QNICC」にて 他のライターのリストも面白いので是非。
http://qnicc.jp/column/2012/07/01-000000.php?page=7


『ゴンゾウ 伝説の刑事』(2008年)

古沢良太脚本。

泥臭いので、古沢脚本でも軽妙な『リーガルハイ』とは反対に見えるが、同じ《無敗伝説の男》を主人公にした物語。だが今作は『かっての』が付く。
三年ぶりに現場復帰した『かっての伝説の刑事』は、捜査の為には冷酷無比な上司に反発する。しかし彼は元部下であり、かっての自分の姿だった...

元部下である刑事・佐久間(筒井道隆)は、エリートである自分を作り出したかっての伝説の刑事、そして今は腑抜けの男・黒木(内野聖陽)を無理やり現場に引き戻し、叩きのめしたいという暗い欲望を抱いていた。また、黒木は三年前のある事件で心を激しく病み、発作に恐れながら生きていた。

この二人の刑事の対決を軸に、定年を迎えつつある老刑事、自分を信用してくれていた男を裏切ってしまい、一生かけて償う覚悟の若い刑事、物語の核になる殺傷事件に巻き込まれた新人の女性刑事など、刑事たちの群像劇が暑い一夏の出来事として描かれる。

DVD特典でエヴァの話題が出てきたように、誰かと誰かが元恋人同士であったり、一方が一方を利用していた等、意外な登場人物たちのダークサイドが露呈し、話はより複雑化していく。

第一話を見た印象は「微妙」。だがそれは、第二話以降に後戻りできなくなる『日常のかけがえの無さ』に一話割いているからで、第二話以降、人々は聖と邪の間で大きく振り子のように揺れ続け、それでも他人を信じる事は出来るのか?やはり現実は酷なのか?と祈る気持ちにさせられる。

犯人のサイコ像はちょっとベタだと思うが、DVD特典の未公開映像を観ると、犯人が夜の街を一人歩き続けるカットの孤独感は、くるものがあった。

中盤以降はひたすら心を振るわせながら観た。
観終わった今も、頭の中で小谷美紗子の主題歌が再生され、場面を思い出してはため息が出る。

第27回向田邦子賞受賞。

京都造形芸術大学 西尾ゼミ上映会
 『ここがロドスだ、ここで跳べ!』




7/23月〜25水
 @京都木屋町・元立誠小学校

入場料 学生500円/一般700円

ワークショップ【京都映画大学】◆

◎24日
17時20分〜
『大畑創の「フィクションの映画史」』(座学60分)
 
 講師:大畑創 (「へんげ」監督)

◎25日
15時〜
『今泉力哉の演技ワークショップ・実技編』(実践90分)

 講師:今泉力哉 (「エアーズロック」脚本、
      「こっぴどい猫」「たまの映画」監督)

16時50分〜
『良い演技とは何か?』(座学60分)

 講師:今泉力哉

◆上映◆

京都造形芸術大学映画学科2011年度西尾ゼミ作品
『うつうつつ』 
『手を離しても』
LOSER』 
『キラキラ』


ゼミ生OB作品

『えつ子のかお』
『破れタイツ』
『ナチョフ同志』

『QULOCO』

招待作品

島守央子監督『ソノサキニ』
入江毅監督『MINOMAN

QNICCで連載中 http://qnicc.jp/column/
▶「ソクーロフ映画特集2012」 @九条シネ・ヌーヴォ 公開中〜7/13
前売1,200円/当日一般1,400円
▶「ホセ・ルイス・ゲリン映画祭」(監督来館) @同志社大学クローバーホール 7/3
1,000円
▶木ノ下歌舞伎『義経千本桜』 @京都 春秋座 7/7・8
一般3,300円/25才以下2,800円/高校生以下1,500円
※当日¥200増
▶「ジョン・カサヴェテス レトロスペクティブ」 @第七藝術劇場 7/7~7/13
前売1,500円
▶「映画の貴公子ボリス・バルネット傑作選」 @神戸アートビレッジセンター 7/7〜13 ※火曜休館
DVD上映1,200円/フィルム上映1,500円
▶「市川雷蔵映画祭2012」 @みなみ会館 7/14〜24
一般1,300円/学生1,000円/ゆかた着物割1,000円
▶『この空の花 長岡花火物語』 @心斎橋シネマート 7/14〜
月曜男性・水曜女性・連日親子・毎月25日1,000円
木曜・日曜最終回は会員1,000円

合計 10,800円

●何人かのシナリオを書く数週間が終わった。仕事に区切りがつくと夜中に映画が観たくなる。何度も観返してる映画をまた観たりする。と偶然にも10代に映画館で観た映画たちがあちこちで上映されると言う。打ちのめされに行こうか、あの頃のように。
●高校生の時、大阪から京阪電車に乗って京都のコアな上映館(日本イタリア会館やスペースベンゲット!)へ映画を観に行くことに特権的な喜びを覚えていた。当時そんな場所で出会った一つが《ボリス・バルネット》や《アレクサンドル・ソクーロフ》らソビエトの映画群。ソビエトが米ハリウッドに匹敵する撮影スタジオを持っていた事を証明するバルネットの華麗で優雅でユーモア溢れる娯楽作品たちや、ソビエトにも同時代的映画作家がいる事を告げたソクーロフの硬派な芸術作品たち。映画館に行って10代の観客を見つけて感想を聞いてみたい。いると信じてる。
●今だって京都の大学に映画を観に行く気分は特別だ。同志社で《ホセ・ルイス・ゲリン》の上映と監督トーク。最先端の映画作家に会いに行くのはいつだって京都だ。いざドキュメンタリーとフィクションの境界線へ。しかも日記映画の鬼才ジョナス・メカスとの共同作品もある。
●ゴダールと同じくらい、その映画に出会う以前と以後の映画観が大きく変わってしまう世界的影響力を持つ監督《ジョン・カサヴェテス》。今回のニュープリントは映画館の暗闇で一人ひりひりと噛み締めたい。10代で観た時と違い、今度は人生観に影響を受けそう。カサヴェテスは顔の映画だ。彼の妻で女優ジーナ・ローランズの、心の表面張力ギリギリの表情と、その顔に迫るカメラが映し出す、刻まれたシワ一つ一つもじっくり堪能したい。
●京都の撮影所で見習いをしていた10代の終わり。そこで働く職人さんたちは旧大映の人たちで、撮影後に聞く勝新太郎や《市川雷蔵》の逸話はビールの酔いも手伝って魅惑的だった。私生活も破天荒な勝新と比べ、普段は地味な男だった市川雷蔵は、カメラが回るととたんに妖しく輝き出したという。その色香は毎年雷蔵の命日に行われる映画祭で蘇る。
●どうも過去を巡ってばかりだが、別に懐かしがりたい訳ではない。過去の傑作は常に現在の感性を刺激する。歌舞伎を現代演劇に変換する《木ノ下歌舞伎》だって最先端のセンスの塊だ。今作は東京デスロックの多田淳之介を始め、白神ももこ、杉原邦生の演出陣に並んでいる役者の名前だけでもヤンチャな気配。何を見せてくれるのか?そういう興奮がある。
●高校生の時は好きだったけど、だんだん観なくなった監督が《大林宣彦》。なんか「卒業」した気になってた。しかし数年前から友人たちの間で「大林がヤバくなってる」という噂が回ってきた。「ヤバい」とは「ぶっ飛んでる」の方の意味だ。リンク先の『この空の花』の予告編を観ると誰もが呟く、「ヤバい」と。こういう老境なら早く歳をとりたい!とりたい!とりたい!

ソクーロフ映画特集2012 http://www.cinenouveau.com/sakuhin/russia/russiasakuhin.html
ホセ・ルイス・ゲリン映画祭 http://www.eiganokuni.com/jlg/
木ノ下歌舞伎『義経千本桜』 http://kinoshita-kabuki.org/
ジョン・カサヴェテス レトロスペクティブ http://www.zaziefilms.com/cassavetes/
映画の貴公子ボリス・バルネット傑作選 http://kavccinema.jp/lineup/105
市川雷蔵映画祭2012 http://kyoto-minamikaikan.jp/archives/3912
『この空の花 長岡花火物語』 http://konosoranohana.jp/