西尾孔志

20120620 悪い芝居『カナヅチ女、夜泳ぐ』

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※ネタバレ的な何かあるかも。そういう配慮をしないで書いてます。すみません!

途中まで観ていたものが、突然何だかわかんない、説明もない、意味のわかんないものになったのに、
涙が出た。

途中まで観ていたものとは、30才を迎える女の子が実家に向かう夜行バスの中で見た夢の話。地方都市から上京する青春の思い出。
何だか訳わかんないものになったのは、マジックリアリズム的な大きな時間の輪の物語と変化したこと。


贅沢言えば、その魔術的な、幻惑的な、そんな『ある瞬間』を舞台の上で見せてくれたら、とは思ったが、
それでも太った女と子供たちが住む砂浜の光景や、ついに二人の女が出会い会話するアパートの二階の景色は、ワクから解放された『物語』が元来持っていた原始的な獰猛さを見せ、未知の領域へ踏み出した主人公の説明出来ない感情に揺さぶられた声は、僕の胸を締め付けた。
そこには得体の知れない凄みがあった。

書いてて訳わかんねーが(笑)、その訳のわかんねーとこを見て見ぬふりすると、この劇団の底力というか目指す高みを見逃す事になりそう。今時のエンタメの顔して、こんなアングラな匂いさせた舞台とは思わなかった。夜行バスの乗客は皆、出演者として全員出ずっぱりで、出番がない時は黒子になって風景となる。寺山修司かよ!と思ったら、ギャグにしていた(笑)

山崎彬という人は演劇と距離測ったりポーズとったりしながら、根っ子から演劇を盲信している人なのだな、と思った。

そう、盲信。

そして僕は、そういう人を嫌いになれない。

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