2011年3月アーカイブ

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ザ・ストリッパー 堕ちて藍 

聖テロリズム

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愛の街角2丁目3番地

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きゅうそくかいおん

わくわく不倫講座



先週の郊外アートと真逆、行きます(笑)
(※おかげ様で大盛況でした!ありがとうございます)

ストリップ界のつかこうへいと呼ばれたジョウジ川上がプロデュースし、岩井俊二を支えた名カメラマン篠田昇の幻のデビュー作でもある映画『ザ・ストリッパー 堕ちて藍』という掘り出し物の傑作ポルノ映画(めちゃ名作!)を皮切りに、

一般公開となった『由美香』など異端AV監督で知られ、新作『監督失格』が待たれる平野勝之が、『アキラ』の大友克洋の原作で撮ってPFFで話題をさらった大傑作8ミリ映画『愛の街角2丁目3番地』(これ、ほんまに狂ってます!)

そして『ゲゲゲの女房』で数々の映画賞に輝いた鈴木卓爾が若き頃に撮った不思議な肌触りの8ミリ映画たち(『にじ』『きゅうそくかいおん』)
※過去の日記http://www.damdamtuushin.com/nishio/2010/12/20101227.html

『オー!マイキー』の石橋義正のエロでお洒落で昭和歌謡な『狂わせたいの』

ジム・ジャームッシュのカメラマンと組んだ『ロビンソンの庭』など日本のオルタナティブの鬼才・山本政志が商業デビュー前に作った8ミリ大作『聖テロリズム』

などなどなどなどなど×1000!!


「18禁」と「8ミリ」の2つの数字をキーワードに、2日間、京都アートコンプレックス1928を過激にジャックします!!!!

これ、本当になかなか観れないけど、とんでもなく傑作揃いです!

詳細はこちら
http://www.damdamtuushin.com/wktk/

観に来て下さい!損したと思ったら俺がお金返します!!!
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3月13日


BABY-Q『私たちは眠らない』

@スタジオパルティッタ(名村造船所)


素晴らし過ぎる!傑作!!

地震や紛争で混迷する我々の姿を、世界の現状を、鋭利に、淡々と描き出したテンションの高いダンスパフォーマンス。


立ち上がる墓標、イライラする東京の現代人、突然ステージ上に現れる巨大で禍々しい黒煙(!)、それに飲み込まれる女子高生たち、その横で「閉店セール」の旗を振るキャンギャル、アナウンサーが東日本地震や中東情勢を語る中、パレードが行われ、墓標はいつのまにか巨大な十字架として空に浮き上がり、差別や紛争が起こる。

そして最後、観客は「空爆」を体験する。

その暴力的な体験は原始的な恐怖を呼び起こさせ、その爆音の衝撃に心底震えた。


日本の同時代の作家で、ここまでダイレクトに世界情勢に言及した作品は、なかなかお目にかかれない。


「今、これを語らなければ」という東野祥子の凄まじい気迫を感じた。


最後、美しい祈りの儀式が行われ、パフォーマンスは幕を閉じる。

東日本大震災のタイミングでこの作品を観た事を僕は忘れないだろう。

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※上映情報は画像をクリック

3月20日(日)に福島区のCAMP GALLERY にてビジュアルアーツの高木駿一率いる「感覚基地」とセッション企画「冷凍都市の暮らし、または、言えなかった好きという言葉も」を行います。

今回は「郊外」をテーマに、日記のように映像詩を撮る佐々木友輔さんに強く興味を持ったのがキッカケです。
黒瀬陽平ら「カオスラウンジ宣言」のMADであり、黒瀬氏の「内面が消える」に対して「内面が増殖する」と応えた「カオスサバアブ宣言」。
映画学校やいわゆるシネフィルとは違う文脈で映画史をなぞっている連作「ある映画史シリーズ」。
秋葉原の通り魔事件の空気に感応するように即興的に撮った「場撮り」。
坂口安吾のテキストの朗読と茨城県取手の風景が重なる「千代屋の詩」
など、
一見する優しさの中に鋭い刃物を隠し持ったような作品群。

佐々木監督の長編上映は春先に計画中で、まずは短編作品をたっぷりご覧下さい。関西初公開作品もあります。

僕は会場にずっと居ますから、一緒に珈琲飲みましょう。(ギャラリー内にカフェがあります)

【2月に観た芝居 まとめ】

2月12日

ハイバイ『投げられやすい石』

@アートコンプレックス1928

衝撃でしばらく席から立てなかった......。

芸術を捨てて生活に明け暮れる山田。
ずっと芸術と格闘して身体まで壊してしまった佐藤。
佐藤の元カノで今は山田と結婚したミキ。

投げられやすい『意志』か。。。

観劇後もずっと、佐藤の事を考えていた。ずっと2年間もあの絵を描いていた佐藤...。その異常に集中して描いてる姿を想像するだけで、また泣きそうになった。

佐藤も山田も、僕やアナタの一つの可能性だ。そして、せっかく忘れていたのにヒョッコリ現れたアイツでもある。
アイツ今、何しているか......。

それにしても何と説得力のある舞台美術か。あの凄い小道具、ヒッチコックか。
反応の悪い山田らの前で、描いた絵をガリガリと爪でこすり、空気を取り繕うように「いま爪でガリガリやったのはこの絵にとって進化でしょうか退化でしょうか」みたいなクイズを出す時の、佐藤の切迫した表情。
「俺ってもう終わったんじゃないか」と思いつつ、絵を描かないともっと終わるその恐怖、解る。

ラスト、佐藤と山田のやり取りに耐え切れなくなって泣き出してしまうミキが突然起こす行動。
やけっぱちというより、「何故僕たちは幸せになれないのだろうか」という祈りにしか見えなかった。


2月14日

バンタムクラスステージ『ジャック・モーメント』
@芸創

作・演の細川さんのシナリオと映像的な演出には痺れた。
叙事詩のように語られるシカゴマフィアの物語を、劇画的な台詞と鮮やかな場面転換の連続、照明と音楽の圧倒的なエモーションで魅せる。
感服したが、そうなると余計に実力のある役者不足が目立ってしまう大阪の現状が悲しい。
いやきっと、それほど今の細川さんの潜在能力は高いとこまで来てる。分かりやすく言えば、今すぐ金の取れる作家だと言うことだ。


2月17日

京都学生演劇祭

@1928


1日目だけ全プログラムを観た。


月面クロワッサン「どっちみち阪急河原町」 

ゼミ生(宮原、大城、西村、木村)が参加してた。ドライブ感があり、デタラメさも好感が持てた。もっとそこをガンガンやって欲しい。作劇としては、ビルの上など場面がぽんぽん変わるのは面白いけど、阪急電車という設定できちんと話を落とすべきだと思う。


立命芸術劇場「わが家」 

全体的な演技や空間の工夫などの技術がもう一歩だが、物語は「本質」「核」のようなものに触れていて、しかもストレートじゃなく、核から逃げつつも「逃げ切れなかった感じ」がゾクッと来た。特に最後の二人芝居は胸に迫った。境界線及び越境を意識したら良いのではないか。


月光斜BKC「明日は月曜日」 

役者のレベルが高い。「戦時下の映研」という特殊な設定を「枠」として、その「枠」の面白さで前半は良かったが、後半は戦争という外部が映研内に介入するだけじゃなく、登場人物が映研外へも安易に出てしまっていて、せっかくの作劇上の「枠」を壊してしまった。あの枠内で全てを見せてくれたら傑作なのだが、そこへの意識の欠落は演劇としてどうかと思った。


SFP「バグりの国のアリス」 
空間的な意識が出来てない。全員棒立ち状態が目立ち、6人コントを見てるようだった。ゲーム空間を見てるのだと観客に面白がらせる工夫が欲しい。

西一風「誰?」 

観た中では別格のレベルの高さ。学生の芝居を観てるという意識は消えた。しいて言えば強度と音像への意識をもっと高めればいいんじゃないか。マイクの音声は後方から安いスピーカーで聞こえるとか、音像で遊べば面白いのではないか。

あと、皆が自由な雰囲気で動いているが、常にデザイン的に凝った構図で立ち位置が決まるようにしてはどうか。時々、グチャグチャしすぎてもったいないと思った。でも、レベル高い。


テフノロG「テレコム戦隊テッテレー」 

凄い3人。こんな凄い顔の芸達者な3人娘が集まった1億分の3の奇跡。つか学生とは思えない顔芸。本当は、昭和のベテラン芸人じゃないのか?彼女らはアラフォーじゃないのか?テフノロ師匠と呼ぶべきじゃないのか?天才過ぎて腹筋痛い。ファンになりました。(最優秀賞となった)


2月26日


KUNIO『椅子』

@名古屋うりんこ劇場


杉原邦生は怖いもの知らずだ(笑)

【偉い人(笑)に怒られちゃうことやっちゃう?】っぷりが爽快。

楽しい以外ナ~ンにも残らない(イヨネスコの戯曲は忠実に演じられているのに!)この「不条理な」軽さを、受け入れるかどうかで評価は別れるだろう。

僕は大アリ。面白かった!

だって観客参加型のパーティのりの馬鹿馬鹿しさから、クライマックスで二人芝居の凄味へもって行く点でブレてない。快快の山崎皓司の芸達者ぶりからのチギレっぷりで終わるラストも「どこに連れて行かれるのか?」というまさにKUNIOザ・ライドだ。

変な例えだが、ヒップホップやテクノなどのクラブミュージックにおいて、『うっわー』と意識が飛ぶくらいの【鬼気迫る瞬間】がある/無いが僕の評価の軸なのだが、杉原さんの演劇はクラブミュージックでいうとこの『イエーイ!』まではガンガン飛ばしてくれる。次回は『うっわー』まで飛ばせてくれそうって期待できる人だ、マジで楽しみ!



2月27日


本多力の俳優修行『あの大鴉、さえも』

@立誠小


ヨーロッパ企画の本多力さんの自主企画。30年前の岸田戯曲賞台本をヨーロッパ企画の中川さん土佐さんと3人で文字通り熱演。あんな熱演してるヨーロッパ企画の役者の姿ってレアだ(笑)

タイトル「あの大鴉、さえも」は駄洒落で「大きなガラス」を運ぶ3人組の話。デュシャンの未完作「大ガラス(彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも)」にもかけてるが、その辺りの文脈までは僕は深く知らない。

ヨーロッパ企画は等身大の若者のノリ(会話や身体性)が最上の武器である劇団だと思っているが(もちろん上田誠さんの書く本の巧みさも)、この30年前の不条理劇をストレートに熱演すると、そのノリのズレが台詞の古臭さを浮かび上がらせてしまっているように思った。



名古屋で観たKUNIOとは「戯曲」への対し方が真逆で、

KUNIOが徹底的に(あえて)リスペクトを欠いた過剰さで、現代との接点を持ち込もうとするのに対し、

本多さんのユニットは、リスペクトを出発点に元の戯曲の再現を行っている。

だから現代の観客との接点が生まれなくても仕方がないかもしれない。

これは【本多力の俳優修行】なのだから「これでいいのだ!」である。

上演後は出演者と観客全員で反省会をする(笑)観客は役者を育てるタニマチになった気分になれるのだった。面白い企画だ。