西尾孔志

20100603 CO2夜話 第3夜

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(#co2ex ツイッター上にこのハッシュタグで、毎深夜にCO2監督について色々語っていきます。短い期間ですがお付き合いのほどを。あと、色々絡んでくれると嬉しいです。)

第3夜 小栗はるひ、トラウマ教の教祖 

小栗TOP.JPG

#co2ex 横浜聡子が撮った第3回CO2助成作品「ジャーマン+雨」の劇場公開コピーは「トラウマなんてくそくらえ!!」だった。しかし今回、小栗はるひ監督が主催する団体名は「トラウマサーカス」である。 

#co2ex 横浜監督は、全てがトラウマで語られる風潮のアンチとして、そしてその先にこそ草も生えないような荒野があり、それを描くんだという強い意志を持って、「ジャーマン+雨」を撮った。それはナイーブ過ぎる若い自主映画作家が多い中で、異色の力強さを発揮した。 

#co2ex その後2年間のCO2では女性の監督は現れず、男性監督の中でも横浜聡子の土俵で戦ってみようという挑戦者は現れなかった。しかし今年、ついに登場した。それがトラウマサーカス・小栗はるひだ。その武器はどうしようもない位の《女性の性への愛憎》、つまりトラウマ。 

#co2ex まったく横浜聡子と真逆である。というか、横浜監督も小栗監督も、同じ土俵で戦っている意識などないだろう。おそらくその土俵上には時空の歪みが生じ、お互いが鏡のようなパラレルな別次元に存在している為、相手の姿は見えていないのだ。しかし・・・、気配は感じていたはずだ 

#co2ex 小栗はるひ監督が今回挑戦した事は「精液の映画」だった。彼女にとって、子宮(肉体)は否応なく求めつつも、脳(観念)はトラウマによって愛情と嫌悪の入り交じった複雑な態度を示してしまう。そんな精液。 

#co2ex 横浜聡子の作品が時として男を「世界にとってそれほど必要のないモノ。愛されるべき無駄」として描くのに対し、小栗はるひの作品では「女性自身のアイデンティティを確認する為にどうしても必要な対象」として男が描かれる。 

#co2ex 「どんずまり便器」の主人公は「自分が何者であるか」など余裕こいて考えたりしない。彼女は情緒不安定で暴力で物事を解決しようとする。彼女は無意識的かつ直感的に行う自己確認として、精液を求める。 

#co2ex その行為には幼い頃の原体験、つまりトラウマが影響している。横浜聡子が「くそくらえ」とトラウマに唾を吐いたのに対し、小栗はるひは「トラウマでしか自己確認出来ないんだよ!」と、トラウマの開き直りとでも言うべきオッピロゲ状態で全力疾走する。 

#co2ex 今年の助成作品5本の中で、最もパンクで、真のカウンターカルチャーとして語れるのは「どんずまり便器」だけだ。僕が「タイトルの字が間違ってる」と指摘したら「いやむしろ『ず』にしたんだ。どうしようもないんだ」と答えて来た小栗監督。 

#co2ex 大阪上映の時、客席を覗くと、はっきりと嫌悪の感情を持った観客がいた一方、数人の女性が号泣していた。その中の一人である僕の友人に感想を聞いたところ、「自分でも何故泣いたのかわからない。でも涙が止まらなかった」と答えた。 
 
#co2ex 小栗はるひ監督の才能は発展途上であるが、いつか新興宗教の教祖になると思う。貴方もトラウマサーカス教の秘密のイニシエーションをのぞきに来ませんか?  

6/16 21時~ 
@池袋シネマロサ  
「どんずまり便器」 ゲスト:杉作J太郎  
http://bit.ly/7FYLA3

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